2012年8月5日日曜日

ルナゲートの彼方

自分の感想を読みなおしてみると、ひどく拙いことを実感。自分の感想と解説の境目が難しい

 この本は米国のジュブナイルSFノベルの大御所ロバートAハインラインの作。彼の作品は割りと読んでいるが、どれも高水準で安定して楽しめる。その中から特に目立った作品というわけではないが、手元にあったのを一つ。



題名
 ルナゲートの彼方
著者
 ロバート・A・ハインライン
ジャンル
 SF
評価
 70点 良作

あらすじ
 恒星間ゲートによって、瞬時に惑星間を行き来する時代。
 両親の反対を押し切って主人公ロッドは、上級生サバイバルテストに参加するために十数名のクラスメイトと共に未開の惑星へとワープすることになる。しかしワープした彼らを待っていたのは、ゲートの事故による長い長いサバイバルのための長い長い戦い。

感想
 SF版15少年漂流記といったところだろうか。
 サバイバルテストのためのワープ、事故による漂流、何とかしての生存、仲間たちと協力しての奮闘。そして少しずつ生存事情を改善する様、少年少女の共同生活にありがちな恋模様など、いわゆる漂流ものの醍醐味を捉えていて面白い。
 しかし個人的に一番心に残ったのは最後の漂流生活が終わった後である。

 大人たちが助けにきたことで、少年少女が築きあげたコミュニティが崩壊し、そして現実世界へと立ち返っていく中で主人公が取り残される姿である。何だか夏休みが終わってしまって、自分は宿題が終わってなくまだ休み気分が抜けきってないのに友人はいつのまにか宿題を終わらせ学校に適応してしまっている。そんな姿を見せつけられてしまう気がする。
 正直内容は要鉄を抑えていて面白いのだが、個人的には少し夢のないラストに興醒めだったので良作どまりかな。いやでも、ああいうラストでなければ心に残らなかったかもしれないので、やはりああいうラストだからこそいい作品なのかもしれない。でも当時の自分の寂寥感に70点。


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