2012年7月28日土曜日

ふわふわの泉

これは割りと最近読んだ本。復刊されたらしい
結構前の星雲賞受賞作
※星雲賞はSF小説とか漫画とかアニメに与えられる賞



題名
 ふわふわの泉
著者
 野尻祐介
ジャンル
 SF
評価
 80点

あらすじ
 科学部部長の主人公の少女が、ふわふわと呼ばれる物質を見つけるところから始まるサクセス・ストーリー。

感想
 ふわふわと命名される事になる物質を実験中の事故で見つける所から始まる。
 物語の要点は2つ、一つはふわふわと呼ばれる物質によって発展していく世界そのもので、まさにSFらしい世界観の構築が楽しめた。想像するだけで面白くなってきて、あぁ現実世界でもふわふわできればいいなぁと思ってしまう出来。SF小説だと難解な理論を土台にしていて、それを基に構築される世界観を読むだけで一苦労(とはいえそれが醍醐味でもあるのだが)な事が多いが、本作ではすんなりと想像できる上に軌道エレベーターなどSF的アイテムや、異星からの訪問者まで出てきて更に妄想の翼が広がる。
 もう一つは主人公の少女である朝倉泉の世界観。
 話は変わるが最近ノマドと呼ばれる仕事形態(ノマド=遊牧民=オフィスなどで特定の席を持たず、ファーストフード店など転々として仕事をする)が流行っているらしいが、それに通ずるものがあると思う。小説のなかでも自由きままにやりたいように生きるためにあれこれ発明したのに、逆にそれにしばられたり、でもそれでも自分の思うがままを貫いたりとある種の哲学が垣間見えつつも、エンターテイメントとしての要鉄は外さないのが面白かった

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