2012年7月29日日曜日

コロヨシ!!

二日目
 今日も本棚の手近にあった本から
 読んだのは半年ぐらい前かな?



題名
 コロヨシ!!
著者
 三崎亜記
ジャンル
 スポーツ
評価
 70点

あらすじ
 日本が舞台なのだが、現実の日本とは違う日本が舞台の小説。
 そこでは『掃除』と呼ばれるスポーツが存在している。内容は新体操とかフィギュアスケートみたいな感じをイメージ。魅せるスポーツらしい。しかしこの掃除には色々と秘密があって、この世界で起きた戦争や文化と深い関わりを持つ。表題のコロヨシ!!はそのスポーツ「掃除」の掛け声で、コレ以外にも耳慣れない「掃除」用語が沢山出てくるのが本作の特徴。
 その掃除部を舞台に、主人公が友情に恋に部活にと励んでいく物語である。

感想
 ここまで読むと難解な小説に思えるが、読んでみるとそう難しい話ではない。
 単純に説明するなら、日本っぽい世界で掃除という架空のスポーツを舞台に繰り広げられるスポコン小説と言うべきか。高校生の主人公が恋に友情に悩みながらも、掃除に打ち込んで成長していく様は同様のスポコン小説に似て爽快感がある。
 ある意味、世界観の説明自体が物語の肝でもあるのであらすじでどこまで書くのか、感想でどこまで書くのか迷った。
 またコロヨシ!!の秀逸な部分は、架空のスポーツである掃除の描写の巧さだとも思う。
 話は少し逸れるが個人的に小説という媒体は、非常に低次元低情報な情報媒体だと感じている。これは悪い意味ではなく、単純に漫画・ゲーム・映画など他の媒体に比べれば人が得られる情報は文字からだけであり、前者の絵あるいは動画、音楽などから得られる情報とは桁違いの少なさだ。しかしそうであるがゆえに、小説は物凄く自由であるとも思える。著者の想像力に掣肘される部分はあるが、逆に言えば想像力の届く限り筆力の届く限りの表現ができるのは小説だけである。漫画やゲーム・映画はそういう想像力の嘘が見えると急にしらけてしまうし、そういう嘘を存分に羽ばたかせられるのは小説だけであろう。
 本作はそういう点において、架空の掃除というスポーツに一定のリアリティを与えつつも爽快感あふれる描写をしており、ストーリー部分のある種ありきたりな展開といい意味でギャップがあった。

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