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2012年8月28日火曜日

三匹のおっさん

昨日読んだ作品。レインツリーの国、フリーター家を買うに引き続き同じ作者の作品
wikiでは大人向けのライトノベルを謳ってる作者さんみたいだけれども
その通りでよみやすい作品が多い。てか女の人なんだなぁ



題名
 三匹のおっさん
著者
 有川浩
ジャンル
 青春!(色んな意味で)
評価
 85点!名作

あらすじ
 定年退職をした還暦の60才の3人の悪童ならぬおっさん達が一応は主役の物語。暇になった時間を使って、町内の治安を守るために立ち上がる3人は培ってきた経験を元に縦横無尽に駆け回る。

感想
 ああ、面白い。そんな印象がまずくるのが本作、昨日書いたフリーター家を買うのような物語の起伏は特にないが爽快でテンポがいいので勝手にページが進んでいく。
 特にいいのは、やはり3者3様でどこにでもいるなぁという格好のおっさん達がメインだから。確かに今時のおっさんは若々しい、というか今の日本は60で高齢者面出来るほど若い国ではない。そしてある意味人生における最後の転機とも言える年代で、ここでどう生きるかで生き様が決まるのかもしれない
 そしてこの作品で描かれているおっさんたちは普通だ。普通に頭が硬かったりするし、コミュニケーション能力に欠けてたりするし、頑固という言葉も似合うだろう。複雑なお年ごろでもある。ただしカッコイイ。
 途中から孫の祐希の視点で語られてたりするが、素直じゃない孫から見てもカッコイイ爺さんだという事は見えてくる。そしてフリーター家を買うや、レインツリーの国でもあったがやはり著者が説いているのはコミュニケーションの大切さ。カッコイイからといってふんぞり返っていてもかっこよくはない。何を書いてるかわからない気もするが、とにかくカッコイイのはカッコつけてこそなのだ。

 改めて考えてっみるとカッコイイというのは、彼ら3人だけではなく巷にも沢山転がっている気はする。自分の祖父も、昔電車に乗っている際に彼自身かなりの年なのに近くで立っていた老人に席を立って譲ったときなどはカッコイイと思ったものである。
 年寄りになっても、そういうカッコイイ人間でありたいと思ったので名作!85点

2012年8月27日月曜日

フリーター家を買う

さっきのは昨日の分という事でもう一冊
こちらもつい最近読了した作品
以前書いたレインツリーの国と同じ作者




題名
 フリーター家を買う
著者
 有川浩
ジャンル
 青春、家族
評価
 85点 名作

あらすじ
 平凡に大学卒業し、そこそこの会社に就職するもそこの社風が合わないと感じあっさり退職した主人公。根気のない彼への世間の風当たりは強く、中々再就職出来ない中で少しずつ意欲を失い、フリーターとして職を転々としながら日々を漫然と過ごしていく。
 しかしそんなある日、母が精神を病んで寝込んでしまう。
 今までずっと家族を支えてきてくれた母の危機に、フリーターは一心奮起して仕事を見つけ、母のために何かしようと決意することになる。

感想
 なんだかすごくリアリティのある話というか、面白かった。
 少しずつ堕落していく主人公と、それで病んでしまう母親、不理解な父親に、嫁いだやり手の姉。それぞれが個性的なキャラクターで読んでいくごとに、ああこういう奴いるなぁと思える程に普通で欠点があってそれでも美点もあるのがよかった。
 物語の展開はものすごくオードソックスだったが、そこに筆力が加わってリアリティのあるものになっている。挫折から立ち上がり、そして軌道に乗り、また家族の縁を繋ぎ直すという一連の展開に何故だかじぃーんとしてしまった。
 全体を通してテンポのいい展開と、わかりやすいキャラクターの織りなす物語はきっと誰でも楽しめる一品だと思う。名作!85点




2012年8月12日日曜日

天冥の標 2 救世群

昨日に引き続き




題名
 天冥の標 2 救世群
著者
 小川一水
ジャンル
 SF、ウイルスパニック
評価
 90点、名作!

あらすじ
 舞台は現代。日本で医者をやっている主人公は、かつての仲間から太平洋上に浮かぶ島で疫病のエピデミックが起きたときき急遽向かう事に。彼はそこでこの疫病の厄介な性質を知ると共に一人の少女をたすけることになる。
 しかしこの疫病の影には大きな悪意が潜んでいて

感想
 純粋に、疫病が蔓延しパニックに陥りつつも医者達が奮闘する、疫病パニック小説としてもよくできている作品だと思う。シリーズ中唯一の現代を舞台にしてるとあって、他の作品よりとっつきやすく、謎が謎を読んだ1巻はプロローグ的な立ち位置。こちらが真の1巻とでもいうべき作品だろう。
 この話も謎が幾つも紛れているが、1巻で出てきた勢力のうちの2つの由来。救世群とリエゾンドクターの起源が分かることになる。
 しかしそれよりも、この疫病の原因は実は宇宙からの悪意とも言える存在だという事が分かったり、それに対抗する存在も地球にいることが分かったりという、シリーズ全体の軸足が見えてくるのが大きい。更に後の巻である5巻ぐらいから振り返ると、成る程ー!と思えるのも美味しかった
 テンポよく進む上に、ここから現実と別れて天冥の標世界へと進んでいくという標みたいな巻。たぶん今のところこの巻が一番出来がいいので90点!名作



2012年8月10日金曜日

スタータイド・ライジング

 そろそろ気合イレないと更新が滞りそうな感じで2週間。@2週間で1月だー

 知性化戦争シリーズの一作目。日本ではあんまり知られてないのかな?でもSF界では有名なシリーズだと思います。

 

題名
 スタータイド・ライジング 上下
著者
 デイヴィット・ブリン
ジャンル
 SF
評価
 85点。名作!

あらすじ
 長くなるので<知性化シリーズ>と<スタータイド・ライジング>に分けて

 <知性化シリーズ>
 数百年後の未来、人類は異星人とのファーストコンタクトを経験し銀河種族の一員となった。
 だがこの銀河世界では良きにつけ悪しきにつけ知性化という事が重きに扱われる世界だった。人類にとって良くも悪くも付き纏う事柄となる。
 まず知性化というのは、宇宙にあまねく酸素呼吸種族が野生生物→凖知的種族→従族→主族と経験する階梯で、最初の偉大なる始祖以外はすべて他の知的生命体によって<知性化>されることで凖知的生命体が知的生命体になる輪廻の事である。
 しかし人類はその輪廻から外れた鬼子種族であり、そのために庇護を受けることもなく強大が冷酷な列強種族に脅かされる。ただ一方で、人類はこの銀河世界とファースト・コンタクトを行う前に、チンパンジーと海豚という2種族を図らずも知性化していた。そのおかげで、人類は主族の地位を認められて幾つかの惑星への植民権を得ている。

<スタータイド・ライジング>
 その知性化世界において、人類は天性の航海士であり独特な感性で知られる銀河中もっとも若い知的生命体・海豚達を載せた探検隊を組織する。それによって幾つかの情報や教訓、戦訓を得ようとしたのだ。
 だがその目論見は色んな意味で外れることになる。
 海豚と人類の探検隊は、宇宙の彼方で今まで誰も発見したことのなかった、そして銀河中を揺るがすことになるモノを発見してしまったのだ。極秘裏にそれを処理しようとした人類だが、それは儚くも失敗に終わり、発見をめぐって銀河を支配する覇権的な列強主族との戦争になる。
 本作はその戦争の最中から、逃げまどう海豚・人類の探検隊のお話。

感想
 一作目という事で世界観を読み取るだけでも楽しい。特に多様な生物が面白い。
 例えば海豚という知性に俳句を組み合わせることで人間とは違う意識をもたせたり、逆にまったく人間と遠い覇権種族が妙に現代人的な感性を持っていたりと面白みに満ちている。
 一方で視点が一々変わるのが少し最初はめまぐるしいが、それもすぐ慣れ一つの場面を濃密な描写を堪能できる。

 色々小難しいがストーリーラインは、簡単にいうと人間カッケーな感じのストーリーで、特に難しい哲学もなければ科学的知識も必要ないし、文学的な表現もない(翻訳だからかもしれないが)。翻訳ゆえの読みにくさはついて回るが、濃密かつ創造的な世界観の構築が凄いので85点!名作


2012年8月7日火曜日

新世界より

4,5年前ぐらいに読んだ小説。
ちょっと調べたらアニメ化するらしい。まぁ映画化するよりはマシかなーと思うけど
内容に比べると随分幼い感じだったけど大丈夫なんだろうか
日本SF大賞受賞作




題名
 新世界より
著者
 貴志祐介
ジャンル
 SF(かなー?)、青春モノ(かなー?)
評価
 90点 名作!

あらすじ
 少しあらすじから外れてしまうが、自分が読み始めたときは裏表紙のあらすじ(あったかなー?)は読んでいないので、ぶっつけ本番で読み進める事になった。
 最初は、立ち読みでさほど集中していなかったので速読気味だったのも影響したのが、印象としてはこれSF?伝奇ものとかそういうのじゃね?という感じだった。何故なら、そこに描かれているのはさして現実と大差ない街とそこにクラス少年少女、そして悪鬼や業鬼と呼ばれる存在だったからだ。しかし少し読み進めるだけで何かがオカシイことに気づく、端々に異常が現れてきたのだ。その代表格が呪力でありハゲネズミ。そしてこの2つは、この後の物語の中心を為す事になる。
 まだこの世界の成り立ちを知らぬ少年少女の視点と同じくして進んでいく本作は、逆に今と彼らの今の違いが如実に見える所から、その世界の姿が浮き彫りになっていく。

感想
 長い本で、どうあらすじを書くかが難しくこんなのになってしまった。
 感想はといえば、大きく分けて2つ。一つは練りこまれた世界観と、テンポのいい物語。
 特に世界観の方は、かなり早いテンポで情報が明らかになっていくのだが、謎が謎を呼ぶというか、知れば知るほど情報が欲しくなる感じで、最後の最後で愕然とした情報が提示される。もう少し丁寧に読み進めていれば予想できたのかもしれないが、作中でもあったがハゲネズミという人間臭くありながらも人外の容貌をしているがゆえに騙されてしまったのだ。
 また秀逸なのは、社会の成り立ちの下りだ。
 自分たち人間が動物の1種であることを、今までも分かってはいたもののやはりどうしても特別だと思い込んでいた気がする。でもこの本であったように、社会の複雑さによって特別という幻想のヴェールを被せられているだけで、現実にはそう動物の築くそれと大差ないのだ。そしての大差ない性質を、神の力を手に入れた事によって顕にさせられてしまうというのは、何だかこの小説世界のものすごい皮肉が見えてしまう。つまり人が無力な存在であるからこそ偉大な文明を築き上げたが、人が偉大な力を手に入れた末に文明を社会を崩壊させてしまった。

 そして物語の方だが、有体にいって人間側に魅力的なキャラクターは存在しない気がした。
 みんな達観してるか考えが浅いかの二通りで、むしろバケネズミ側に魅力的なキャラクターが多く存在していたように思う。ゆえに物語が最後に近づくにつれて盛り上がりを見せたと思う。
 また悪鬼と業鬼という2つの凶悪な存在を前半で提示することによって、物語全体をミスリードしていったのも秀逸。最後の最後まですんなりと読み進めてしまう面白さがあった。
 特に世界観の描写が秀逸でぐいっと引きこまれたので90点。名作!

2012年8月3日金曜日

星界の紋章

できるだけ早く更新を心がける
 こちらを読んだのは中学生の頃。かなり嵌った小説でした。確か、アニメにもなっていたはず。星雲賞受賞作
 うーん星雲賞受賞作はやっぱり面白いと今更ながらに実感。読んでないのも試してみようと決意



題名
 星界の紋章 1~3巻
著者
 森岡浩之
ジャンル
 SF
評価
 90点 名作!

あらすじ
 惑星マーティンに訪れた侵略者アーヴ。
 遺伝子改良によって宇宙に適応した人類は絶大な戦力を持ってマーティンに降伏を迫る。ときの惑星主席はこの事態に対して降伏を選択、しかしその決断は彼の息子であるジントを数奇な運命へと導いていく事になる。
 運命のいたずらでアーヴが支配する帝国の貴族となったジントは少年から青年へと成長を遂げ、星々を渡る冒険を経験することになる。

感想
 表紙もこんな感じだし、内容も一纏めでいえば美少女異星人との逃避行なので今時でいえば、ありがちなラノベになるのかもしれないが、星界の紋章はSF(スペース・オペラ)作品としても優れていると自分は思う。
 一線を画しているのはそのディテールの濃さ。
 よく練られた世界観の描写は読んでいるだけでアーヴ世界の情景が浮かんでくるようだし、アーヴという人工種族の奇妙な生態や各々用意されたSFガジェットも楽しげだ。平面航法などもワープという一言では済まさず、それを前提として組み上げられている戦争の風景などはSFの醍醐味ともいえるものだと思う。そして何よりも凄いのは、端々に挿入されるアーヴ語。異国情緒溢れる音感は設定のみならず、キャラクター自体も生き生きとしてくる風情があった。

 その世界観で描かれる冒険行は、ストーリ自体は特筆するところはないと思うが、前述のとおり生き生きとしたキャラクター同士のやりとりや、所々に垣間見える精巧な世界観が光り、またテンポもいいのですいすいと読み進めてしまう楽しさがあった。

2012年8月2日木曜日

エンダーのゲーム

随分と昔に読んだ小説
そして10冊を超えていた事に気づく
もうすぐ一週間。踏ん張りどころ



題名
 エンダーのゲーム
著者
 オースン・スコット・カート
ジャンル
 SF
評価
 85点

あらすじ
 少年エンダーは、意地悪で恐ろしい兄と優しくて彼を溺愛してくれる姉に囲まれた日常を送っていた。しかしあるとき彼は軍に徴用されることになる。
 バグと呼ばれる異星体との戦争の司令官となるべく学校に送られたのだ。そこでは彼と同じく賢く優秀な仲間、ライバル達がおり試行錯誤を加えつつもエンダーは成長していく事になる。
 そして見事優秀である事を証明したエンダーは、最後のテストへと向かうのだが。。。

感想
 まずラストが秀逸。散りばめられた情報から薄々とは感づくもののやはり驚く。ただただがむしゃらに目の前の敵と戦っていたはずのエンダーが、突如偉大なと周囲から呼ばれる存在になってしまうという展開にぞくりときた。
 それまでの、学校生活も次から次へと出される難題とそれを乗り越えていくエンダーの姿が痛快かつ、好きな子に意地悪するが如くの難題の数々についついにやっとしてしまう。兄と姉もちょいちょちと出てきて、この3人の兄妹の圧倒的非凡なキャラクターと、その3人が起こした"結果”の差異もいいコントラストになっていた。
 少し古い小説ではあるが、今でも十分以上に楽しめるSF作品だと思う。



2012年7月30日月曜日

ビブリア古書堂の事件手帖

本日一冊目、最近売れているらしいこの本
3巻まで読了済み



題名
ビブリア古書堂の事件手帖
著者
三上延
ジャンル
ミステリー
評価
90点

あらすじ
 本の読めない無職の巨漢である主人公と、人見知りで巨乳の美人すぎる古書店店主の織りなすミステリー小説。
 祖母の蔵書の処分のために、高校のときに美人が働いているのをみかけたビブリア堂書店に向かった主人公。そこで極度の人見知りかつ巨乳の店主と出会い話の流れから古書店で働く事になる。
 ストーリーの肝となるのはいつも本。
 人間関係はからきしだが、本のこととなるとずば抜けた観察力と推理力を誇る美人店主によって、持ち込まれる謎が次々に解き明かされていく。

感想
 あまりミステリー小説は読まない。その理由に、殺人って微妙にヘビーでありつつもっと大きなスケールの話も多い小説ではそこまで重大事ではない事件に毎度毎度つきっきりになるのが面白くなく感じるってのがあるんですが、今作はミステリー(多分)でありつつも人が死なず、そして古本を中心とした謎解きが非常に興味深くて面白い。
 主人公とヒロインのキャラクターも、デカイのに優男・美人なのに人見知りと背反する要素が組み合ってるのが興味深く、リアリティのある(うっすペラではない)人物像に仕上がってる。
 そしてやはり楽しかったのは、読んでいるだけで鎌倉の風景が浮かぶ情景描写と、推理を交えて解説される本の話が秀逸だった。以前にネタバレをされてから読んだ方が読者の満足度が高いという統計を目にしたことがあるが、それと同じでこう沿革をしった後だと中身も知りたくなるものだなぁと感じてしまった。
 売れているだけあって、万人におすすめできる名作だと思う。